誰でもわかる多心光コネクタの基礎
多心光コネクタは、光通信を支える光伝送において、重要な役割を果たしています。
特に昨今ではインターネットトラフィック量の増加から、より高速で大容量の光通信が要求されているため、その重要性が更に増しています。
本記事では、多心光コネクタの基本的な説明からその種類、メリットを紹介していきます。
株式会社白山の光接続部品「MTフェルール」は、この多心光コネクタと密接に関係するので、MTフェルールの説明のためにも、まずは多心光コネクタについて説明いたします。
多心光コネクタとは
多心光コネクタは、複数の光ファイバーを接続するためのコネクタで、光ファイバー通信システムにおいて信号の伝送品質や信頼性を確保するために使用されます。多心光コネクタは、一般的には光ファイバーの数に応じて2心、4心、8心、12心、24心などがあります。
多心光コネクタの種類と特徴
多心光コネクタには、以下のような主要な種類があります。
MPOコネクタ
- MPO(Multi-fiber Push On)コネクタ: MPOコネクタは、最大72心(※1)の光ファイバーを接続できる高密度コネクタです。データセンターやFTTxなどの高速通信網で広く使用されています。(多く使われるのは、8心、12心、16心、24心)MPOコネクタは、独特のプッシュオン式構造を採用しており、接続や取り外しが容易です。
※1:近年ではそれ以上の心数のMTフェルールの開発も行われています。
参考:株式会社フジクラ「光インタコネクション用超高密度光コネクタ」
MTP®コネクタ
- MTP®(Multi-fiber Pull Off)コネクタ: MTP®コネクタは、MPOコネクタの改良版として米国コネクタメーカーUSConec社が商標登録をし、販売している多心光コネクタです。MTP®コネクタは、光ファイバーの配置やピンの形状が最適化されています。そのため、高い信頼性と性能を実現しています。上述のMPOコネクタとは接続互換性があるため、相互に接続は可能です。
MTコネクタ
- MT(Mechanical Transfer)コネクタ: MTコネクタは、MTフェルールという複数の光ファイバーを保持する部品を接続用のガイドピン及び専用のクリップ(MTクリップ)で機械的に接続するコネクタです。専用クリップ脱着ツールが必要となりますが、部品点数が少ないのが特徴で、簡易に接続が可能です。
MT-RJコネクタ
- MT-RJ(Mechanical Transfer Registered Jack)コネクタ: MT-RJコネクタは、2心の光ファイバーを接続するための小型コネクタで、光ファイバーをRJ-45コネクタに似た形状で収容しています。MTコネクタ(2.5 x 6.4mm x 8.0mm)の技術を流用したmini MTコネクタ(2.5 x 4.4 x 8.0mm)を利用することで断面積を抑えたコネクタとなっています。
参考:古河電気工業株式会社「MT-RJコネクタ」
MTフェルールとは
複数の光ファイバーを保持する端子の役目を持つ部品です。中央部に対応した心数の光ファイバー孔があり、その両端には接続用のガイドピンが挿入されるガイドピン孔が存在します。今回紹介した多心光コネクタ(MPOコネクタ/MTP®コネクタなど)には、すべてこのMTフェルールがコネクタハウジング(コネクタ外装部)の中に使われています。
まとめ
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
多心光コネクタの種類、その中にはキー部品である「MTフェルール」が使われています。
今日の光ファイバー通信を支える多心光コネクタについて基本的な内容が少しでもお分かりいただけたら、嬉しいです。
光ファイバー通信の技術は日々進化しており、今後も多心光コネクタの性能や種類がさらに発展していくことが期待されています。
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