光モジュールとの中継用小型多心光コネクタの開発~次世代データセンターにおける高密度光接続の実現~
データセンターにおける課題と背景
データセンターの需要は、AI技術の普及やクラウドサービスの拡大に伴い、急速に高まっています。この成長により、データ通信量は2020年から2030年までの間に約7倍に増加すると予測されています。同時に、この急激なトラフィック増加は電力消費の拡大も招き、2030年にはデータセンター全体で180TWh以上の電力が必要になる見込みです(下図参照)。
こうした状況に対処するため、次世代通信技術である**Co-Packaged Optics(CPO)**の導入が注目されています。CPOは、スイッチングロジックと光I/Oを一体化することで、省エネ性能と帯域幅の向上を同時に実現します。一方で、この技術にはスイッチボックス内部のスペース効率を最大化する小型光コネクタの採用が不可欠です。従来型のMPOコネクタでは、限られた空間や厳しい温度環境に対応するには課題がありました。
当社が開発した「MTCTコネクタ」は、こうした問題を解決するための革新的なソリューションです。これにより、データセンターの運用効率を支えるだけでなく、次世代通信基盤の構築にも大きく貢献します。
MTCTコネクタの開発目標
MTCTコネクタの開発において、当社は以下の3つの主要な目標を掲げています:
- 高密度光接続の実現
限られたスペースで多くの光接続を可能にし、デバイスの機能を最大限引き出します。 - 柔軟性の高い構造設計
MTフェルールと光ファイバーを固定した後でも再組み立てが可能で、組立工程フローを柔軟に検討することができます。 - 優れた耐環境性能
データセンターの多心光コネクタに求められる信頼性評価試験(Telcordia GR-1435-2準拠)にも対応し、高い信頼性を提供します。
MTCTコネクタの特長
MTCTコネクタは、次世代デバイスの厳しい要件を満たすために設計されています。以下に、その特長を挙げます:
- 小型設計と高性能の両立
従来のMPOコネクタの半分以下の厚みを実現。また、MPO-MPO接続の構造と比べ、長さも抑えられています。これにより、スペース効率が大幅に向上しました。 - 高温リフロー対応と再組み立て可能構造
光ファイバーをフェルールに固定した後でも部品の分解・再組み立てが可能なため、光コネクタの組立工程フローを柔軟に考えることができます。 - 高精度フェルール技術の採用
通常MTフェルールの1/4サイズである「MTCOMPACT® Slim and Short」フェルールは、光ファイバー孔の軸ズレ誤差を1μm以下に抑え、接続損失を業界水準の0.7dB以下に維持します。
次世代データセンターへの貢献
MTCTコネクタは、光デバイスメーカーやAI関連メーカーが開発するCPOスイッチ設計のニーズを満たし、次のような利点を提供します:
- 設計自由度の向上:スペース効率の改善により、内部設計の柔軟性を向上。
- 製造効率の改善:再組み立て可能な設計により、組立コストを削減。
- 高信頼性の提供:長期にわたり安定した性能を発揮します。
当社は、MTCTコネクタを通じて、次世代通信基盤の構築に必要な課題解決を支援します。詳細や導入事例については、お気軽にお問い合わせください。
参照
- データセンターのトラフィック増加(2030年までの予測)
引用元:Minkenberg, C., et al., “Co−packaged datacenter optics: Opportunities and challenges,” IET Optoelectron., 2021, 15, 77–91.
この論文で提示されているデータセンター内の通信トラフィック増加に関する予測を参考にしています。 - データセンターの電力消費予測(2030年までの予測)
引用元:Goldman Sachs Insights
AIの進化によるデータセンターの電力需要増加の見通しが示されています。
技術背景:CPO導入のメリットと課題
- 引用元:COBO “Design Considerations of Optical Connectivity in a Co-Packaged or On-Board Optics Switch,” White Paper.
- CPO技術に関する具体的な背景情報が提供されています。
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