狭ピッチMTフェルール(MTDS®):光コネクタ技術で実現する高密度データ通信
はじめに:AI時代の「データセンター光接続」を支える技術革新
AI技術の急速な進展に伴い、「データセンター」におけるデータ通信量は飛躍的に増加しています。特に、「CPO(Co-Packaged Optics)」や「OBO(On-Board Optics)」といった新技術(基板実装光モジュール)が登場し、「データセンター」内の「光接続」には、これまで以上の高密度化が求められています。
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この課題を解決する鍵となるのが、「狭ピッチMTフェルール」です。
「データセンター」の進化に伴い、「光接続技術」の高密度化が求められる背景には、以下のような技術的な要因があります。
まず、AIやビッグデータの処理には膨大なデータ通信が必要であり、これに対応するためには高速かつ高密度な「光接続」が不可欠です。また、CPO/OBOの登場で、光デバイスの限られたスペース内での効率的な配線が求められています。
さらに、エネルギー効率の向上も重要な課題であり、高密度な「光接続」はこれを実現するための一助となります。具体的には、従来の電気配線に比べ、「光配線」は単位データ量あたりの消費電力が少ないため、「データセンター」全体のエネルギー効率向上に貢献します。
「狭ピッチMTフェルール(MTDS®)」とは?その革新性を解説
「狭ピッチMTフェルール」とは、「細径クラッドファイバ(80µmクラッド径)」を利用した「MTフェルール」です。「MTフェルール」のファイバ孔は80µmとなっており、従来のファイバピッチ(250µm)よりも高密度の設計(125/127µm光ファイバピッチ)を実現しています。
光ファイバピッチを狭小化することで、「光ファイバ」の配列が、1列24心~32心の対応が可能であり、「シリコンフォトニクス」の光路と合わせた設計が施されています。
「シリコンフォトニクス」技術は、「光回路」をシリコン基板上に集積する技術であり、「光デバイス」の小型化と集積化を可能にします。「狭ピッチMTフェルール」は、この「シリコンフォトニクス」技術と組み合わせることで、より高密度な「光接続」を実現します。
この革新性により、「狭ピッチMTフェルール」は従来の「MTフェルール」に比べて大幅な高密度化を実現しています。これにより、「光モジュール」間の配線効率が向上し、光デバイス内の限られたスペースでの高性能なデータ通信が可能となります。
「狭ピッチMTフェルール(MTDS®)」市場の将来性:「次世代データセンター」の必須技術
現在、半導体チップ業界の世界的なテクノロジー企業が「CPO」技術の導入を積極的に進めており、光通信市場では、さらなる「光接続技術」の進化が求められています。「狭ピッチMTフェルール(MTDS®)」は、これらの市場動向に最適なソリューションの一つであり、今後、その需要はさらに拡大することが予想されます。
「狭ピッチMTフェルール(MTDS®)」の市場成長を支える要因として、「次世代データセンター」の構築における高密度「光接続」の需要が挙げられます。「データセンター」の運用効率を最大化するためには、より多くのデータを高速かつ効率的に伝送する必要があります。「狭ピッチMTフェルール(MTDS®)」は、このニーズに応えるための最適な技術です。
株式会社白山の技術力と製品ラインナップ
株式会社白山は、長年にわたり培ってきた「光多心接続技術」および「高精度射出成形技術」で「狭ピッチMTフェルール(MTDS®)」の開発に挑戦しています。
過去には、既に1列24心MTフェルールのサンプルを製作していました。ただし、当時はマルチモード品の対応で留まりました。

狭ピッチMTフェルール(24MTDS®)
ただし、現在は複数の有力企業からの要望もあり、1列32心シングルモード品(127µmピッチ)の開発を行っています。過去からの積み重ねで当社の技術力も高まっており、1列32心のMTフェルールにも挑戦できるようになりました。
まとめ:「次世代光接続技術」の最有力候補
「狭ピッチMTフェルール」は、「次世代」の「CPO/OBO」向け接続技術として、その重要性を増しています。株式会社白山の製品は、業界トップクラスの品質と信頼性を誇り、お客様の多様なニーズに柔軟かつ的確に対応します。ご関心がある方は、お気軽にお問い合わせください。
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